人を見下す、罵倒、そしてモラハラ

自己愛性パーソナリティ障害の代表的な症状として、「人を見下した態度、発言」「相手をののしる、罵倒する」といった特徴があります。そしてこれらはやがて、「モラハラ(モラルハラスメント)」へと向かっていきます。

私も自己愛性パーソナリティ障害の人と親しくなる中で、見下された態度から始まり、次第にエスカレートし、最終的には、常識の範囲を超えた、心をえぐられるような罵倒やののしりを会話でもLINEでも発せられるようになり、心が病んでいく自分がいました。

いつくかエピソードをお話します。

自己愛性パーソナリティ障害の女性と付き合う前の出来事ですが、その頃は、ののしりや罵倒といった態度や発言はまだありませんでしたが、少しきつい表現やいわゆる「ディスる」ような発言が時折ありました。

例えば、普段の会話の中やLINEにおいて、私に対し、「お子ちゃまだね」「子供みたい」などと言ってくるのです。なんとなく小馬鹿にされたような思いでしたが、「冗談があまり通じない子だな」「ストレートに思いつきで発言する子だな」と思っていたのですが、やがて、こうした発言も徐々に増え、「傷つくことをズケズケ言う子だな」「相手に容赦しない子だな」と感じるようになりました。

しかし、この段階ではまだ許容の範囲でして、ちょっとわがままで、世間知らずの子だな・・・という程度でした。

そして徐々に、それがエスカレートしてきたのです。

あるデートの日のこと、待ち合わせの時間に私が先に到着し、彼女に「着いたよ!」と連絡をすると、彼女から電話があり、開口一番、「私をそこまで歩かせる気?」と言い放ったのです。あまりの高慢な態度に度肝を抜かれました。そしてその後、結局、彼女が私の居る場所へ来たのですが、会った瞬間、「来てやったよ!」と言うのでした。「この子、わがままを通り越して、何かがおかしい」と・・・。
社会常識からは完全に外れた、明らかな違和感を感じました。

その日は罵倒のオンパレードで、私の指を見ては「男のくせに指が短いね」とのたまってみたり、私が道をちょっと探していると、「どんくさいなぁ。視界狭いね。道知らないの?」などと、まあ、凄まじい罵声の嵐でした。

その後もデートの度に、「方向感覚が悪すぎだね」「手握るの、ウザい」「歩くの早い。私に合わせなさいよ。」「服のセンスないね」「髪がうざい」・・・などと、お門違いのことから、私の身体的なことまで、まあここまでよくも悪く言えるなぁ~と感心できるぐらい、見下しや罵倒がひどく、最後の方はほぼモラハラ(モラルハラスメント)状態でした。

LINEでの会話も、1日に1回、必ずののしりが入るようになりました。

エピソードはまだまだ、数えきれないぐらいありますが、分かりやすく言いますと、「彼女が女王様、私が奴隷、召使い」といったような感じで、私を見下し、ののしるのです。

そして後日、彼女が自己愛性パーソナリティ障害であると判明した際には、これらの「見下し」や「ののしり、罵倒」が、まさに自己愛性パーソナリティ障害の症状と完全一致したのです。
「劣っていると感じた人々に高慢な態度をとる」「自分は特別であると信じており、その信念に従って行動する」といったものです。

なお、自己愛性パーソナリティ障害の人がこうした見下しや罵倒をする原因ですが、これは、自己愛性パーソナリティ障害である本人の自身の無さに端を発しており、自分が相手を罵倒することで、相手は自分よりも劣っている、自分は相手よりも優れているという観念を持つことで、結果、自我を保っている・・・というものになります。

しかし実際には、相手よりも自己愛性パーソナリティ障害の人自身の方が劣っていることが多く、つまり、相手への見下しや罵倒は不当なもの、事実と反するものであり、よって、相手方は身に覚えのない見下しや罵倒を受け、明らかな違和感を感じるわけです。

こうした見下しや罵倒は、親しい相手になればなるほど、症状が大きく現れており、「被害を受ける側は、主に家族や配偶者や恋人」に多く、ごく普通の友達ぐらいの間柄では症状がそれほど出ません。

自己愛性パーソナリティ障害の人の「見下し」や「罵倒」や「モラハラ」は、非常に顕著な症状の1つであり、自我を保つための強迫観念的な手段であるというお話でした。

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