物欲が止まらない、買い物依存症

私の知りうる自己愛性パーソナリティ障害の方には、「物欲を抑えることができない」「買い物依存症の傾向がある」という事実があり、自己愛性パーソナリティ障害の症状の1つにも挙げられています。

物欲などの欲求が止められない仕組みとしては、自己愛性パーソナリティ障害の特徴である「自制心が弱い」ということがその原因と言われています。

そこで、エピソードをいくつか・・・

まず私が思いますに「物欲が止まらない」や「買い物依存症」である前に、それらの症状がある自己愛性パーソナリティ障害の方には、「お金を計画的に使えない」「節約という概念がない」という特徴がありました。
お財布からお金が次から次へとどんどん出ていくという感じです。とにかくベースとして、細かい出費がとにかく多いという状況でした。

さて、女性の自己愛性パーソナリティ障害の方の例ですが、とにかく服飾の買い物依存が激しかったです。

コートを例にしますと、もともと1着だけを今シーズンに買う予定であるのに、「あの色と形は、私の理想そのもの。もう二度と出ないから買う。」とか、「あのブランドと同じデザインなのに、こっちの方が安いから買う。」とか、「最後の一着なんだって。店員さんが言ってたから買う。」・・・といった具合に、何着もコートを買うのです。(店員さんの言葉に弱かったり、言葉をすぐに信じたりするという特徴もありました。)

コート以外にも、マフラーやスヌードも1シーズンで3本も4本も買っていました。靴も同じブランド、同じデザインで、色違いのものを3足も4足も買っているのです。

また、よくLINEで、「どっちがいい?」と、スーツや服や靴の写真を送ってくるのですが、それが買う日まで続き、夜中でも写真を送ってきたり・・・と、とにかく買いたい物への執着がすごいのです。

そしていざ買うと、すぐに買ってきた服などを床に広げて撮影し、インスタグラムへアップ。その後、自分で着た写真もインスタグラムへアップ・・・と、今度はSNSでのアピールが始まるのでした。

自己破産するまでの浪費ではありませんでしたが、「クレジットカードの限度額に達してしまって、会計に手間取っていた」ということもありました。その時は、カードが限度額に達していたことへの弁明を、あれこれ理由をつけてはぐらかしていましたが、一応、お金の管理能力の無さへの恥じらいはあったようでした。

彼女の様子からして、お金を計画的に使おうという意思は一応あるらしいのですが、それよりも「欲しいものがあると、その “欲しい” という衝動がどうしても抑えられない」ようでした。さらには、「物欲の衝動は、自身(仕事やプライベート)のストレスの大きさに比例している」ようでした。

自己愛性パーソナリティ障害では、自信のない自分や、自分の軸(自己)がないことで、欲求のままに自己中心的な行動となったり、自制心が弱くなると言われています。

つまり、「自己中心性(わがままさ)や自制心の弱さが、物欲という欲を制御できず、結果、買い物依存症の傾向が出てしまう」ということのようです。

要するに、「物欲が止まらない」「買い物依存症の傾向がある」ということは、「意思が弱い」「自分に甘い」ということに他ならないのです。

自己愛性パーソナリティ障害の症状として、物欲を止められない、買い物依存症の傾向があるというお話でした。

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