自分が大好き、自撮り、SNS依存の傾向

自己愛性パーソナリティ障害の特徴として、「自分が大好き」という、まさに「自己愛」の傾向が非常に強いことが当然として挙げられます。

誰でも自分自身のことは好きであり、自己アピールすることは当然あるかと思いますが、自己愛性パーソナリティ障害の場合、その程度や頻度が通常の平均と比べて明らかに「大きい」「多い」、つまり、「過度である」のです。

そして、「自分が大好き」ということの現れが一番出やすいのは、FacebookやインスタグラムなどのSNS投稿になります。

具体的に説明していきます。

まず、自己愛性パーソナリティ障害の方に共通していることは、通常の人のSNSに比べ、「自分が美しく、格好よく写っている写真を頻繁にアップする」「自撮りの顔写真を頻繁にアップする」という傾向があります。

ちなみに、私の知っている自己愛性パーソナリティ障害の方の容姿は、まあまあいいとは思えるものの、特段に美しい、可愛い、格好がいいというレベルではなく、「無難に美しい、可愛い、格好いい」という程度なのですが、「自分は他人よりも明らかに美しい、可愛い、格好いい」と自分自身で思っている傾向が非常に強いのです。そして、「そんな美しい自分、可愛い自分、格好いい自分を見て欲しい!」という表現の場として、SNSを多用するのです。

第三者から客観的に見ますと、「また自己アピールしているな」という思いになるのです。

いくつかエピソードを・・・

ある自己愛性パーソナリティ障害の女性のケースでは、1日に最低1回、インスタグラムに投稿するのですが、その内容が、「今日の服装のコーディネート写真」「注目のグルメやスイーツの写真」「高尚な場所などの写真(神社、学術的な場所、絶景など)」「自分が写ったおしゃれでかわいい写真」「プールや海での自分の水着写真」・・・といったものでした。

SNSでは基本、自己アピールしようとする思いが強くなるのは誰でも当然ですが、一般的な人ですと、自分の服装のコーディネート写真を撮ってアップしようとまでは思わず、それが毎日続くのですから、「ちょっとこの子、自意識過剰すぎるな」と誰もが感じるわけです。

また、自分が可愛く映った写真をアップするのは全然アリなのですが、容姿やスタイルが極端に優れているわけでもないのに、水着姿の写真を何枚もアップするというのは、客観的に見ていて「かなり自意識過剰な子だな・・・」という思いでした。(20代や30代なら分かるのですが・・・)

また、男性の自己愛性パーソナリティ障害のケースでは、「Facebookのプロフィール写真を自撮りで何度も変える」という傾向がありました。

自分では格好いいと思っているのですが、正直、自撮りした中年男子のアップ写真をプロフィール写真にするのは、誰が見ても「いかがなものかな・・・」という感じでして、しかも「全く格好よくない」のです。

しかし、当の本人はあまり気にせず、その時は自分のことを「格好いい!」と思ってアップしているようなのですが、翌日見たら自分でもちょっとイマイチで「やっぱり削除」ということを、夜中に頻繁に繰り返しており、結果、プロフィール写真が短期間にコロコロ変わるのです。

以上は単なる一例ですが、普通の人と自己愛性パーソナリティ障害との明らかな違いは、他人から「ちょっと自分が好きすぎるよね、あの人」という意見が出がちな所にあります。

また、私が深く接した自己愛性パーソナリティ障害の方の中には、「私、自分が大好きなの。ごめんね。」と公言する人もいました。

「ごめんね。」と最後に付け加えてくるあたりが、「自分が好きで、どこが悪いの?」という強がり、開き直りなのか、あるいは、「自分のことを好き過ぎるが故に、自己中心的になり、嫌な自分になっていてごめんね・・・」という自己嫌悪なのか・・・
いずれにせよ、自己愛性パーソナリティ障害らしい表現であるなと感じました。

なお、自己愛性パーソナリティ障害の場合には、SNSで「いいね!」やコメントの数が多ければ、「SNSに依存する傾向」があります。
しかしながら、自己愛性パーソナリティ障害の方は、自分でもはっきり言っていますが、概ね「友だちが少ない」という傾向があります。
よって、SNSに自分が投稿しても、それほど「いいね!」やコメントが集まらないことが多いのです。
この場合には、すぐに削除してしまったり、そのSNSをしばらく止めてしまうことが多いです。

そして、より反応を得られる場を求めて、普通ではなかなか使わない「インスタグラムのタイムラインにアップする」ということを定期的に繰り返す自己愛性パーソナリティ障害の方がいます。
Facebookやインスタグラムでなかなか反応がない、称賛を浴びられない時に、インスタグラムのタイムラインを使い始めるようです。
自分を称賛してくれる場を求めていった末に、「最終的に、インスタグラムのタイムラインも自己アピールの場として使うようになる」という感じかと思います。

ちなみに、「自分が大好き」であったり、「自撮り」、「SNS依存」であることは、特に周囲の人に迷惑を掛ける行為ではないので、問題はありません。単に、親密になりますと「ちょっと変わってるな。付き合いづらいな。」となるだけです。
あくまで「個性が強い人だな」という範疇で捉えられるのであれば、何ら問題はないと思います。

単に、自己愛性パーソナリティ障害の方の大きな特徴として、「自分が大好きであるが故の、自撮り、SNS依存の傾向がある」というお話でした。

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