自己愛性パーソナリティ障害の特徴として、まだ付き合いの浅い人に対しても、自身の暗い過去の話をしたり、普通の会話の途中でふと突然、過去の嫌な経験談を話し始めるといったことが頻繁にありました。

いくつかエピソードをお話しします・・・

中学の同級生女性(その女性はのちに自己愛性パーソナリティ障害であることが判明)と数十年ぶりに再会して一緒に食事をした時のこと、かなり久しぶりの再会でした為、これまでのお互いの人生や昔話などを他愛なく話しつつも、少しぎこちなさや緊張感も感じるような雰囲気でした。そんな中、彼女は突然、当時の学校時代のことを語り出しました。

「私、中学の時、●●さんのグループから、嫌がらせされてたんだ!」
・・・・・
「だから私、中学の卒業アルバム、すぐ捨てたの!」

その話は私も初めて聞いた為、「そんなことがあったんだ・・・」と同情して聞いていたのですが、その話がひと段落し、しばらくまた他愛ない話をしていると、今度は再び・・・

「私、元旦那と別居する前、毎日家に帰ると、旦那から浮気チェックされたの。毎晩体をチェックされるんだ。親にも話せなかった、この話・・・」

彼女がバツイチであることは事前に聞いていたので、離婚の話は特に問題ないのですが、数十年振りの再会であるこの場で、しかも、学生時代は彼女とは数度話したかどうか・・・という程度の間柄にも関わらず、かなりディープな暗い過去の話をしてきて、しかも、羞恥的な話もあり、「どうしていきなり、こんな暗い話、深い話をしてくるのだろう??」「何故、親にも言えない話を、付き合いの浅い私にしてくるのだろう?」・・・という疑問を何となく感じました。

そしてその後、よく会うようになり親しくなってからも、突然ふと、彼女は暗い過去の話をすることが頻繁にありました。

「高校の時、机に砂を撒かれたんだ・・・」
「20代の時、すごく格好いい彼氏の子を妊娠したんだけど、彼氏、そのまま音信不通になっちゃったんだ・・・」

相当にディープな話が多く、私としても「可哀そうに・・・」という思いにその場では駆られたのですが、その一方で、「何故ふと、この子は自分の暗い過去を、話し始めるのだろう・・・」という不思議さを毎回感じていました。

今になって確実に言えることは、これらの暗い過去の話、彼女にとっては「トラウマになっている」ということでした。

そして何度も、これら同じ話を定期的に繰り返し話してくるのですが(本人は毎回、初めて話すように語ってきますが)、ふと思い出して語ったというよりは、確実にトラウマとして頭に残ってしまっている出来事を定期的に言葉として吐き出しているかのようでした。それら背負ってしまったトラウマを、どう処理すればよいのか、どう拭い去ればよいのか、自分自身でも解決できず、常に囚われているように思われました。

これらのことが、自己愛性パーソナリティ障害とどう結びつくのか?ということですが、それは自己愛性パーソナリティ障害の特徴である「プライドの高さ」「高慢さ」「すごい自分」とは対極にある、同じく特徴である「弱い自分」「ダメな自分」の方にそれらトラウマを重ね合わせているようでして、トラウマの暗い過去を語ることによって弱い自分(本来の自分)を表現し、理解や同情、依存を求めているようでした。

これらの相関性は今後ゆっくり書いていきたいと思いますが、自己愛性パーソナリティ障害の特徴や症状の1つとして、「自身の暗い過去を進んで話す」という、エピソードでした。